FM雑誌を片手に毎日エアチェック!な時代を振り返る【FMステーションのあった時代】

 エアチェックとは、ラジオ番組をテープに録音することと思っていただいていい。熱心なオーディオファン中には専用のFMアンテナを準備してオープンリールのテープに録音するツワモノもいたが、たいていの場合、当時一般家庭にも広く普及していたカセットテープに録音していた。

若い世代を中心に”エアチェック”が大ブーム

 1980年代、お小遣いをやりくりして生活する学生たちにとって、レコードは高かった。シングルが500円、アルバムは2500円ぐらい。欲しくても簡単には手が出ない。そんな状況を補ってくれたのが、”エアチェック”だったのだ。対象は高音質で音楽をメインに放送されるFM番組。当時の機材では、カセットテープに録音した音楽を聴いても十分に満足できた。そうした状況もあり、若い世代を中心にエアチェックは一大ブームとなり、レコードは買わないけど、持っている音源の数は誰にも負けないという猛者も現れるほどだった。

 カセットテープに録音する機材として、多くの学生はラジカセを利用していた。ラジオとカセットデッキが一体となった製品で、いまだに家電売り場で少ないながらも見かける。とくに80年代は、ラジカセがダブルカセット、オートリバース、あるいは重低音を強調したステレオスピーカー、といったさまざまな特徴をアピールして販売されていた。再生するカセットテープの種類(ノーマル、クローム/ハイポジ、メタルが基本。フェリクロームもあった)に合わせて、最高の音質が楽しめるような機能が備わるものもあった。

『FM STATION』1984年9/10→9/23号。「エアチェック・ハンドブック」企画より。かなり細かに解説していた。

エアチェックに不可欠!番組表が掲載されたFM専門雑誌

 エアチェックの際の大きな武器となるのが、『FM STATION』をはじめとした、FM専門雑誌だ。放送番組名とともにオンエア曲、曲の分数が詳細に記され、カセットに録音する時の大きな助けとなった。特に曲の分数はとても重要で、カセットの収録可能時間(片面23分、30分、45分がメインだった)に収まるように計算しなければならなかった。これがけっこう大変で、電卓が一般的になる前は、書きながら計算。これで計算力が上がったという人も多いのでは。

『FM STATION』1984年9/10→9/23号。1987年7/27→8/9号。この番組表に蛍光マーカーで録音する番組や曲にチェックを入れた。

リアルタイムにラジオが聴けない時はラジカセにカセットテープをセットして、オーディオタイマー(録音開始時間がセットできる)を使うなどして、エアチェックを楽しむ者もいた。

 エアチェックが済めば、オリジナルのカセットを作り、オリジナルのレーベルでドレスアップする楽しい時間が待っていたのだ。

アノ頃を思い出す名曲の数々が収録!!『FM STATION 8090』

 『FM STATION 8090』には、80年代、90年代にエアチェックして楽しんだ、多くの名曲が収録されている。2022年に第一弾がリリースされると、瞬く間にそれを待ちわびていた”かつての若者”たちが手に取った。

 2023年夏には、あらたに2タイトルが同時リリースされ、架空のFM番組『FM STATION 8090』の世界に没入することで、アノ頃を思い出しながら、ドライブやカフェタイムを楽しく過ごせるだろう。

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