BUCK-TICK、『BUCK-TICK TOUR 2025 スブロサSUBROSA』ツアー初日4/12仙台公演の模様を公開!

4人体制になった新生BUCK-TICK初の全国ツアー

 BUCK-TICKが、2025年4月12日に行ったアルバムツアー『BUCK-TICK TOUR 2025 スブロサSUBROSA』の初日の模様を公開した。

 BUCK-TICKは、アルバム『スブロサ SUBROSA』を2024年12月に発売。本ツアーは、最新アルバムを携えて、4人体制となった新生BUCK-TICK初の全国ツアーとなる。ツアーは、4月12日に開催された仙台公演を皮切りに、5月25日東京:豊洲PIT公演まで、12公演が行われる。また、6月7日群馬公演からスタートする追加10公演も決定している。 ボーカルは、メンバー今井寿と星野英彦の二人が務め、新作アルバム『スブロサ SUBROSA』の楽曲を中心に、これまでの楽曲も織り交ぜた新たなスタイルでのライヴとなった。

ギタリストである今井寿と星野英彦がヴォーカルを

 2024年11月20日のアルバムリリース後、4本のファンクラブ限定ライブと、12月29日の日本武道館公演を経験しているが、このツアーはアルバム『スブロサ SUBROSA』の本ツアーであり、4人でまわる初の全国ツアーである。

 しかしどうだろう。ギタリストである今井寿と星野英彦がヴォーカルもとるスタイルはすでに確立されたように観て取れ、初日でありながら実に堂々たるステージだったと思う。それは決して過去を上書きするものではなく、38年間5人でBUCK-TICKをやってきた誇りと自信に基づいたものだと言えるだろう。──もちろん、そんなふうに余韻を噛み締めるのは公演後のこと。

 「ハッロー、BUCK-TICKだ。一緒に遊ぼう。一緒に楽しんでもらえたら嬉しいです」と序盤の短いMCで今井寿が放った言葉どおり、公演中はステージとフロアとの一体感によって生み出される高揚感に、すっかり夢中になっていた。

 このツアー初日、昨年の公演では演奏されなかった楽曲を含めアルバム曲は全曲披露されたのだが、音源とは違う曲の並びと、『スブロサ SUBROSA』のプリミティブな世界観を汲んだ既存曲とで構成されたステージは、生き生きと躍動し、むくむくと成長していたのである。

 たとえば『夢遊猫 SLLEP WALK』の間奏では、ギターが猫の鳴き声やグイーンと伸びをするような音を鳴らしていたり、『雷神 風神 -レゾナンス #rising』では唸りをあげる風のような音が鳴っていたりと、音源とはまた違うその日限りのセッションが曲ごとに繰り広げられる。

 これまで、“音源を聴き込んできた人ががっかりしないように”と音源の再現度高く、それでいてライブならではのグルーヴやエネルギーを感じられるのがBUCK-TICKのライブの特徴の一つだったが、第二期BUCK-TICKは今井と星野がギターだけでなく、シンセサイザーやPCを駆使してサウンドを操るのだから、楽曲の解釈に対する自由度もより広がった。

 その最たるは『ストレリチア』『神経質な階段』『海月』のインストゥルメンタル。プロジェクションマッピングも楽曲の世界観を深めるものだが、この日の『ストレリチア』を聴きながら筆者が思い浮かべたのは、小説『ロクス・ソルス』で読んだ奇天烈で幻想的な世界。そんなふうにその日その時の音色が、聴く人それぞれのイマジネーションを広げてくれるだろう。もちろん、そのアンビエントなサウンドに、ただただ身を委ねるのもいい。

 また、今井と星野のヴォーカルと、それを表現するパフォーマンスの進化ぶりも特筆すべきところだろう。『スブロサ SUBROSA』や『TIKI TIKI BOOM』での今井の猛々しいヴォーカルや、腰を落としてフロアを見据えるパフォーマンスにフロアは沸き、『paradenoMori』や『絶望という名の君へ』での星野の丁寧なヴォーカルと、歌を届けようとする手 の仕草や目線に魅了された。

 時折上段からゆらゆらと降りてきて、笑顔でフロアを盛り立てていく樋口の存在も然り。それぞれのキャラクターがより濃く感じられるようになった。ギターリフとベースのユニゾンが小気味よい『遊星通信』、ダークでヘヴィなトリップホップの『Rezisto』、感情を掻き立てるようなアンサンブルのメロディックな『プシュケー -PSYCHE-』、インダストリアルな質感の『ガブリエルのラッパ』、そして哀愁と愛を湛えた『黄昏のハウリング』と、昨年の公演では演奏されなかったアルバム曲もたっぷりと堪能できた。

 アンコールはリアレンジした過去曲をラインナップ。翌日の新潟公演では、すでに違う楽曲が組み込まれたという情報もある。飽くなき挑戦は、新たな感動と興奮を生むことだろう。追加公演の最終日7月9日東京・LINE CUBE SHIBUYA公演まで続く『BUCK-TICK TOUR 2025 スブロサSUBROSA』。これまでの長い歴史を見届けてきた人にも、まだそのステージを観たことがないという人にも、怯むことなく進化し続けるBUCK-TICKの、明るい未来の目撃者になってほしい。期待は高まるばかり。進め 未来だ!

Text:大窪由香
撮影:田中聖太郎

ライブ概要

タイトル:BUCK-TICK TOUR 2025 スブロサ SUBROSA
開催日時:2025年4月12日(土)OPEN17:00 START18:00
会場:宮城/仙台GIGS

BUCK-TICKプロフィール

1987年にメジャーデビューを果たし、以降メンバーチェンジすることなく、日本のロックシーンの第一線で活躍し続けるBUCK-TICK。不動であり孤高であるその姿は、後続するアーティスト達にも多大な影響を及ぼしてきた。1989年にリリースされた3rdアルバム『TABOO』でチャート第1位を獲得。デビュー後わずか2年の間に日本武道館、東京ドームと席巻。その後も独特なポップセンスとダークな世界観を深く掘り下げていく一方で、常にその時代の先鋭的な要素を積極的に取り入れ、まさにBUCK-TICKでしか成し得ない独自の音楽性を提示しながらも、今なお進化し続けている。

2013年にはデビュー25周年を記念した初のドキュメント映画『劇場版BUCK-TICK~バクチク現象~』が全国上映され話題となる。

2016年にビクターに20年振りに復帰。2017年にデビュー30周年を迎え、MTVの年間の優れたミュージックビデオを発表する音楽アワード『MTV VMAJ 2017』で、現在の日本のミュージックシーンにおいて多大な影響を与えた邦楽アーティストに贈られる特別賞『Inspiration Award Japan』を受賞。9月にはデビュー30周年を記念した野外ライヴを東京・お台場野外特設会場J地区にて開催し、2日間で20,000人を集めた。

2019年5月22日に発売した最新シングル『獣たちの夜 / RONDO』はオリコン週間シングルランキング4位を獲得。5月25日・26日に千葉・幕張メッセ 国際展示場9・10・11ホールで、『ロクス・ソルスの獣たち』公演を開催し、2日間で約2万4000人を動員した。12月にはツアー『THE DAY IN QUESTION 2019』を開催。12月3日の群馬県高崎芸術劇場 大劇場からスタートした全5公演のツアーは、12月29日にバンド史上初となる国立代々木競技場第一体育館での公演でファイナルを迎え、1万2000人の観客を熱狂させた。

2020年1月29日に38枚目となるシングル『堕天使』発売。さらに同日、多彩なミュージシャンが揃い踏みした3作目となるトリビュートアルバム『PARADE III ~RESPECTIVE TRACKS OF BUCK-TICK~』を発売した。

2022年9月より、デビュー35周年に突入。9月23日・24日に横浜アリーナで行われた『BUCK-TICK 2022 “THE PARADE”~35th anniversary~』は連日約1万2000人のファンが会場に詰めかけた。9月21日デビュー記念日に発売された5枚組のコンセプトベストアルバム 『CATALOGUE THE BEST 35th anniv. 』を引っ提げ全国ツアーを開催。12月29日には22年連続同日開催の日本武道館でファイナルを迎えた。

2023年3月8日『太陽とイカロス』、3月22日『無限 LOOP』の2作のシングル、4月12日には23枚目のオリジナルアルバム『異空 -IZORA-』を発売。同月よりアルバムを引っ提げたホールツアーで全国を巡り、9月17日・18日にホールツアー、そしてデビュー35周年の締め括りともなるライブ『BUCK-TICK TOUR 2023 異空 -IZORA- FINALO』をメンバーの故郷である群馬、群馬音楽センターにて開催した。10月からはライブハウスツアー『BUCK-TICK TOUR 2023 異空-IZORA- ALTERNATIVE SUN』がスタート。10月19日、ボーカルの櫻井敦司が死去。12月29日には日本武道館公演『THE DAY IN QUESTION 2023』が開催された。

BUCK-TICK公式サイト&SNS

HP(VICTORE内):https://buck-tick.com/
BUCK-TICK Debut 35th Anniversary SITE:https://www.jvcmusic.co.jp/linguasounda/b-t35th/
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