ビートルズやストーンズも最敬愛したロックのレジェンド、リトル・リチャードのドキュメンタリー映画が3/1から劇場公開決定

ロックの先駆者の中で最もワイルドで、革新的で、自由で、ユーモラスで、キュートだったロックンローラー

BXXBCB LITTLE RICHARD at Wrigley Fields, Los Angeles, 2 September 1956

 ロックのレジェンドとして活躍したリトル・リチャード。彼の生涯を豊富なアーカイヴ映像、本人およびその親族や関係者、識者に加え、ミック・ジャガー、キース・リチャーズ、ポール・マッカートニー、デイヴィッド・ボウイら著名ミュージシャンによる証言映像とともにつまびらかにするドキュメンタリー映画『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』が2024年3月1日から劇場公開されることになった。

 1950年代半ばに彗星のように音楽シーンに現れ、後進のロック・ミュージシャンに多大な影響を与えた革新的ロックンローラーのリトル・リチャード。ザ・ローリングストーンズのミック・ジャガーは「ロックンロールはリトル・リチャードが始めた」と語り、エルヴィス・プレスリーは「彼こそロックンロールの真のキングだ」と称賛。ビートルズのジョン・レノンは「初めて会ったとき、畏敬のあまり、硬直してしまった」と言い、ポール・マッカートニーは「歌で叫ぶのはリチャードの影響さ」と語る。はたして彼はいったいどのような生い立ちを経て、その名を世界に刻んでいったのか。

現代ロックの誕生を導き、あらゆる障害と闘った、その知られざる史実と素顔とは?

 1955年、デビュー・シングル『トゥッティ・フルッティ』の大ヒットで世に出ると、ヒット曲を連発して反権力志向の若者の心をつかみ、まさにイナズマのような活躍をみせるも突如引退を宣言。そこから5年の『教会への回帰』を経て、復帰後はイギリス・ツアーを通じて無名時代のビートルズやザ・ローリング・ストーンズに決定的な刺激と影響を与えていく。

 ピアノ演奏では左手でブギウギを、右手では打楽器的な打鍵を披露。激しいリズムを背景に、叫ぶように歌ったかと思えば、ピアノの上に立ち、衣服を脱ぎ捨ててステージを縦横無尽に駆けめぐる。

 現代ではすっかり当たり前になっているパフォーマンスの数々が約70年前にひとりのシンガー・ソングライターによって開発された事実を再認識する興奮は大きく、アーカイヴ映像に残されたリチャードの演奏など今接しても全く色あせてはいない。

 さらにゲイを公言する性的マイノリティーでもあり、陽気なキャラを演じつつ、人間的であまりに壊れやすい繊細な魂を持った人物だった。これはドキュメンタリーの形を借りて描かれた、ひとりのミュージシャンの『魂の軌跡』。性的差別や偏見、時代と流行、そして信仰と音楽活動。様々な狭間の中で苦悩し闘い抜いた初期ロックの雄のための鎮魂歌にして讃歌と言えるだろう。

 現在公開中の特報映像では、「俺がロックンロールのキングだ」とシャウトするリトル・リチャードの映像から始まり、その言葉を裏付けるかのように、「学校の机の上でリチャードの曲を歌ったよ」と嬉しそうに話すポール・マッカトニーや、「皆、彼に恩義を感じている。」とリスペクトを惜しまないミック・ジャガーのインタビューが続く。さらにエルヴィス・プレスリーやジョン・レノンら音楽界のレジェンドたちからの尊敬の言葉も並び、リトル・リチャードがレジェンド・オブ・レジェンドであることが一発でわかる。さらに彼お得意の「お黙りっ!」のフレーズも差し込まれ、ファンにはたまらない映像となっている。

リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング特報映像
字幕監修を担当したピーター・バラカン コメント

この映画でリトル・リチャードは自分のことをロックンロールの設計者という風に話しています。一人だけではないにしろ、決して間違ってはいない主張です。
また保守的だった1950年代に自分がゲイであることを隠さずに活動していたことでも、当時語られなかったところでの影響力がありました。
2020年に他界したこの伝説のミュージシャンを様々な角度から描いたこのドキュメンタリーを、すべての音楽ファンにお薦めします

映画情報

タイトル:リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング
公開日:2024年3月1日
上映劇場:
シネマート新宿(東京)、ヒューマントラストシネマ渋谷(東京)、角川シネマ有楽町(東京)、札幌シネマフロンティア(北海道)、小山シネマロブレ(栃木)、宇都宮ヒカリ座(栃木)、長野相生座・ロキシー(長野)、T・ジョイ蘇我(千葉)、あつぎのえいがかんkiki(神奈川)、ミッドランドスクエア シネマ(愛知)、アップリンク京都(京都)、シネマート心斎橋(大阪)、T・ジョイ梅田(大阪)、シネ・リーブル神戸(兵庫)、八丁座(広島)、シアター・シエマ(佐賀)、T・ジョイパークプレイス大分(大分)、Denkikan(熊本)、宮崎キネマ館(宮崎)、鹿児島ミッテ10(鹿児島)、桜坂劇場(沖縄)
製作・監督:リサ・コルテス(『プレシャス』製作総指揮)
出演:リトル・リチャード、ミック・ジャガー、トム・ジョーンズ、ナイル・ロジャーズ、ノーナ・ヘンドリックス、ビリー・ポーター、ジョン・ウォーターズ
2023年/アメリカ/101分/カラー/ビスタ/5.1ch/DCP/
原題:LITTLE RICHARD:I AM EVERYTHING
字幕:堀上香/字幕監修:ピーター・バラカン 
提供・配給:キングレコード little-richard.com
© 2023 Cable News Network, Inc. A Warner Bros. Discovery Company All Rights Reserve

特設サイト:https://little-richard.com/

サウンドトラック情報

タイトル:映画『リトル・リチャード:アイ・アム・エヴリシング』 オリジナル
・サウンドトラック
価格:2860円
収録:
1. グッド・ゴリー・ミス・モリー
2. ストレンジ・シングス・ハプニング・エヴリ・デイ / ヴァレリー・ジューン
3. ベイビー(デモ)
4. アイム・ジャスト・ア・ロンリー・ガイ
5. トゥッティ・フルッティ
6. のっぽのサリー
7. ルシール
8. バマ・ラマ・バマ・ルー
9. リップ・イット・アップ
10. レディ・テディ
11. 女はそれを我慢できない
12. センド・ミー・サム・ラヴィン
13. トゥッティ・フルッティ / コリー・ヘンリー
14. クエーサー / タマ―ル=カリ