3/20の初日(東京)公演の模様が公開!66年生まれアーティストが集結した音楽フェス「ROOTS66 」!
31人のアーティストたちが観客と共に楽しんだ大大満足の3時間40分

『ROOTS66 -NEW BEGINNING 60- supported by tabiwa』(ROOTS66)は、1966年生まれアーティストが集う音楽フェス。2006年、2016年と10年おきに開催され、今回が3回目となる。特に今回は彼らが60歳(還暦)を迎える年。特別な年の為、今までよりも出演者が増え、さらなる盛り上がりとなった。
FMステーション編集部はこのフェスに、特別冊子『FMステーション-ROOTS66 edition- 』(開催日に会場で無料配布)の制作で参加。取材を通して知った公演の前の出演アーティストたちのこのフェスに対する熱い思いを強く感じていただけに、アーティストと観客がともに大満足したこのイベントの成功はとてもうれしい。
ではどんな公演だったのか、公開された2026年3月20日東京公演の模様を紹介しよう。

開幕とともに、バッキングを務めるROOTS66 ULTRA BANDが奏でたのは、2曲のインストナンバーだった。それは『太陽にほえろ!』と『傷だらけの天使』という70年代に人気を博したTVドラマのテーマ曲で、オリジナルはいずれも井上堯之バンド。66年生まれ周辺の世代が親しんだ曲の連射で、冒頭から体内時計の針が子供の頃に巻き戻されてしまう……。いきなり、心憎い構成だ。
そのままなだれ込んだのは、ROOTS66 GREAT SINGERSによるオープニング・メドレー。今日を待ちわびた歌手たちが、自分の歌を歌いながら次々に登場してくるのだ(ちなみに10年前の開催時は、次の人の持ち歌を歌って紹介する『夜のヒットスタジオ』スタイルだった)。

今回は、たとえば「ずっと好きだった」を歌い終えた斉藤和義が「続いては、声量はたぶん俺の2倍!」と渡辺美里を呼び込んだり、斉藤由貴が「卒業」を歌ったあとに「最高にクールな、カッコいい、ナイフのようなこの方!」と吉井和哉(THE YELLOW MONKEY)を紹介したり、といった具合。そしてこの流れを締めくくったのは、今年が初出演となる永井真理子が「66年生まれで一番のやんちゃ坊主!」と表現したトータス松本(ウルフルズ)が歌う「バンザイ〜好きでよかった〜」だった。
華々しいスタートを切った出演者たちは、ステージ上ではゆるいツッコミ合いを見せる。トータスが赤い上着姿の増子直純(怒髪天)に「この革ジャン、いったい何本、鋲(ビョウ)が打ってあるわけ?」と訊くと、増子は「1000発!すごいよ。まあ俺が打ったんじゃないけどさ」と応えるなど、あたたかいムードだ。ちなみにこの時点でやはり赤の革ジャンを着ていた宮田和弥(JUN SKY WALKER(S))は、のちの再登場のタイミングでは黒に着替えており、そのことを「赤の革ジャンはちょっと恥ずかしい(笑)。僕はこれが通常運転なので」と語った。

ライブは本編に入っていく。斉藤由貴による「夢の中へ」(彼女の代表曲にして井上陽水のカバー)は、トータス松本が敬愛するオーティス・レディングの「I Can't Turn You Loose(お前をはなさない)」とのマッシュアップという特別バージョン。タイトなビートと分厚いホーンの鳴りが力強い。
KEMURIの伊藤ふみおは、先ほどABEDON(ユニコーン)に「大御所感、満載」と紹介されたほどのヘアスタイルに変貌しており、ここでは永井真理子の「Ready Steady Go!」を彼女と共に歌う。そのKEMURIの「Ato-Ichinen」は、ギターに斉藤和義を加えた編成で演奏された。SPARKS GO GOの八熊慎一は、旧友のABEDONとのコラボで「恋をしましょう」をヘヴィに披露。さらに八熊は、宮田和弥と一緒にボ・ガンボスの名曲「夢の中」をエモーショナルに歌った。ボ・ガンボスもこの世代の音楽ファンにはなじみ深いバンドで、とくにここでは鍵盤を弾いた奥野真哉(SOUL FLOWER UNION)は対バンやセッションを経験した間柄だった。

それにしてもこの奥野がバンマスのROOTS66 ULTRA BANDは、強烈な個性だらけのシンガーたちの歌を引き立てる演奏を見事に実現させている。このミュージシャンたちにも大きな拍手を送りたい。
宮田は永井真理子を再び呼び入れ、「すてきな夜空」を歌う。彼女と入れ替わった大槻ケンヂ(筋肉少女帯、特撮)は、ジュンスカと同じ1988年にトイズファクトリーからメジャーデビューしたことを回想。そして宮田に向かって「22歳だったよね? あれから何10年も経って、還暦を過ぎて、まさか一緒に歌うとはね。うれしいよ! すごいことだよ!」と叫び、そのテンションを「オンリー・ユー」(ばちかぶりのカバーで、大槻のソロデビュー曲)での爆走感に直結させる。

激しいギターを弾く友森昭一は、初期の筋少に在籍した時期もあるなどオーケン、そしてこの世代のアーティストたちとは長い付き合いである。
メンバーたちは舞台からいったん去り、転換後はオ―ケンと増子によるラジオ番組『KENZOOMIC HOUR』が影アナ的に始まる。しかしそのトークはバルタン星人の襲撃を受けると、急展開。

バルタンが、そしてウルトラマンがステージに現れ、両者が対決する!1月の記者会見の伏線回収である。その終わりには、バルタンを撃退したウルトラマンからのメッセージとして「どんな時代になっても、夢を信じ、愛することを忘れないで。この星にそういう歌を聴かせてくれ」「いつまでも!」という言葉が残された。
そのメッセージを受け継ぐかのように、以降のROOTS66のステージは真摯な空気を帯びていった。ジョン・レノンの「イマジン」は斉藤和義と宮田和弥、それに中川敬(SOUL FLOWER UNION)による演奏で、この時の日本語詞はRCサクセションがアルバム『カバーズ』(1988年)で発表した忌野清志郎の解釈によるもの。また、中川の歌唱パートは、彼独自の解釈によって、この時代に問いかける詞に変えていたとのことである。

次に中川は1995年の阪神・淡路大震災の悲しみから生まれた「満月の夕」を歌い、そのそばでは田島貴男がサックスを吹いた。最近、脊柱管狭窄症という痛みを伴う病に見舞われている中川は、歩行のために左手で松葉杖をついている状態だが、歌声の強さはいつも通り。歌い終わると、田島の優しい笑顔に見送られていった。
今度は田島が残り、吉井和哉と斉藤和義を招いて歌ったのは、デヴィッド・ボウイの「Space Oddity」だった。前回の「Changes」に続いてのボウイ曲のカバーである。その英語詞を歌いきった吉井は、彼のソロでの近作で、とりわけ重要な曲である「みらいのうた」をABEDONとともにパフォーマンスする。

さらにABEDONは、自らが作曲したユニコーンの「アルカセ」を渡辺美里、大槻ケンヂと一緒に歌った。印象深かったこの2曲は、今年の演奏曲の中で、前回の開催以後に書かれた数少ない楽曲である。
そんな空気感が一転したのはスガ シカオ、そして早見優だった。早見が今夜の冒頭のメドレーについて「きっと私が歌ってる歌が一番古いんじゃないかな?って思いました。でも今回のメンバーには『小さい時に見ていたよ』と言われないので、それだけは良かったな、と思って。だって同い年じゃない?」と言うと、スガは「じゃあ僕も15歳だったわけですね。テレビで観てたのが」と笑う。ふたりは「午後のパレード」をポップに歌い、踊った。そして早見はオーケンと吉井を従えて「夏色のナンシー」を披露する。

一気に夏のムードに染まる会場内。ちなみに吉井いわく「一緒にやらせてくださいって、自分が志願したんです。10代の時から大ファンなので。この曲と、優さんに」とのことである。
ここで挿入されたショートムービーのストーリーからの流れで、終盤のブロックは渡辺美里の「My Revolution」からスタートする。増子とデュエットした渡辺は、田島と吉井を呼んだ。彼女に「ロビン、よろしく!」と言われた吉井は「あっ? よろしくお願いします!」とあわてて返答。3人が歌ったサディスティック・ミカ・バンドの「タイムマシンにお願い」もまた日本のロック界が誇る名曲だ。
さらに次の組み合わせは田島貴男とスガ シカオ。スガは「デビューする前に、LINE CUBE(当時の渋谷公会堂)のOriginal Loveのコンサートにチケットを買って観に行って。この曲を一緒に客席で唄ったんですよ!」と告白する。そして「アンコールで田島さんがワイングラス片手にさぁ」と言うと、当の田島は「アハハハ! 打ち合わせなしでそういうの言うの、やめてくれよ!」と照れ笑い。ふたりによる「月の裏で会いましょう」はファンク度を増量させた仕上がりだった。そのバックでギターを弾く木暮晋也(HICKSVILL)は、Original Loveをはじめ多くのアーティストたちを支え続けている才人である。
ここで田島が「では1966年生まれの目立ちたがり屋というか、ミュージシャンたち! 出てこいよ!」と声をかけると、シンガーたちが大挙して登場。ステージ上には歌い手たちが見事にズラリと集った。

その全員で一斉に「ガッツだぜ!!」(ウルフルズ)、そして「歩いて帰ろう」(斉藤和義)を歌い、高揚感が会場の中にどんどん充満していく。増子が「次の曲! 知ってる人は盛り上がって、知らない人は知ってるふりで盛り上がって。じゃ行こうかァ!お手を拝借!」と叫ぶと、怒髪天の「オトナノススメ」が投下され、客席にはハンドウェーブが広がった。なおこの曲中、増子が両手で×を作るところでは、それに応えてオーケンも×マークを返していた(たしかに筋少の「踊るダメ人間」、さらにXジャンプを思わせる動きである)。
いよいよラスト。フィンガー5の「学園天国」のカバーは、大阪公演のみに参加する小泉今日子の代わりに、早見優が熱くリードした、そして全員に白いハットが配られると、そう、沢田研二の「勝手にしやがれ」だ。増子に「吉井くんのかぶり方、本物だね!」と言われた吉井和哉は、おかげで曲始まりの合図を担当。二番のサビのアアア~では、ハットの数々が客席に向かって投げ入れられる。熱狂の中、これにて本編終了。ランニングタイムはすでに3時間を超えていた。

アンコールは女性シンガーたちによるメドレーからで、渡辺美里の「君は薔薇より美しい」(布施明)に始まり、4人が歌いながら揃って群舞する「春一番」(キャンディーズ)まで、舞台上はポップな明るさであふれ返った。参加アーティストに女性が、それもアイドルまで加わって数もここまで増えたのは、今回の当イベントの大きな特色である。

ここで本当に最後の最後。全員の顔ぶれに加え、ショートムービーに出演した川上麻衣子と鈴木保奈美も駆けつけ、華やかさがいっそう増した。
そして渡辺が「またいつの日か、元気で、笑顔で、このメンバーと大集合できたらなと思います。その願いを込めて」と前置きして、メンバー総出での「また逢う日まで」(尾崎紀世彦)が歌われた。そして記念撮影のあと、出演者たちは手を振りながらステージを去り、3時間40分の宴は終了した。

笑顔と興奮、笑いとあたたかさ。そこにポジティブなメッセージや真摯な表現も織り込まれた2026年のROOTS66、東京編。この前日には、NHKの音楽番組『The Covers』の「スプリング・ロックフェス」が行われ、この中の多くのメンバーが参加している(当日はBS8Kで生放送、4月19・26日にはNHKBSとBSP4Kで放送)。そして2日後にはメンバーがさらに加わっての大阪公演が行われた。
このように2026年版のROOTS66は、2006年、2016年の過去2回以上に一体感があり、そこにはお互いを思い合うような姿も感じられた。また、歌と演奏に込められた感情や熱意はさらに強いものがあり、そのパワーは彼ら、彼女らが若かった頃とは違う魅力があった。このイベントのことを思い入れを持って発信したアーティストたちのSNSには、ROOTS66ロスとでも言えそうな投稿が相次いだほどである。
記者会見で語られたことでもあるが、ROOTS66に集う顔ぶれにはどこか同窓会のようなムードがあり、それだけにどのセッションもどのトークも雰囲気がいい。もっともそれが行き過ぎると内向きな集まりになりかねないが、今年のROOTS66のメンバーたちが音楽に込めたパッションとメッセージは、年齢や世代、人種や国境なんて枠を超える熱量があったと思う。
このシンガーたち、ミュージシャンたちのこれからが……そう、60代に突入してからの活躍が、さらに楽しみである。
ライブレポート:青木 優
撮影:半田安政
ライブ写真を大量に追加掲載した『FMステーション-ROOTS66 edition-』完全版が発売!
一緒に歌い、笑い、踊り、感激の涙を流し、出演者、観客ともに大いに盛り上がり、大満足となった『ROOTS66 -NEW BEGINNING 60- supported by tabiwa』。会場で無料配布された冊子『FMステーション-ROOTS66 edition-』 をベースに増ページし、作成する『FMステーション-ROOTS66 edition-』完全版が下記のサイトより2026年5月上旬に発売(予約受付中)される。
そこでしか見られないカット含め、大量の写真を掲載した大増ページとなっている。再び、このライブの感動を再び味わってみてはいかがだろうか。
販売サイト:https://store.caranddriver.co.jp/products/fm-station2026

ライブ概要
タイトル:ROOTS66 -NEW BEGINNING 60- supported by tabiwa 東京公演
開催日:2026年3月20日
会場:東京ガーデンシアター
<出演アーティスト ※誕生日順 >
◼︎ROOTS66 GREAT SINGERS
宮田和弥(JUN SKY WALKER(S) )/ 大槻ケンヂ(筋肉少女帯、特撮)/ 中川 敬(SOUL FLOWER UNION)/ 増子直純(怒髪天)/ 田島貴男(Original Love)/ 斉藤和義 / 渡辺美里 / スガ シカオ / ABEDON(UNICORN)/ 伊藤ふみお(KEMURI)/早見 優 / 斉藤由貴 / 吉井和哉(THE YELLOW MONKEY)/ 八熊慎一(SPARKS GO GO)/ 永井真理子 / トータス松本(ウルフルズ)
◼︎ROOTS66 ULTRA BAND
友森昭一(g)/ 福島 忍(勝手にしやがれ/tb)/ 田中邦和(Sembello/sax)/ 塩谷 哲(pf)/ 阿部耕作(ds)/ 坂詰克彦(怒髪天/ds)/ 沖 祐市(東京スカパラダイスオーケストラ、Sembello/key)/ ナカジマノブ(人間椅子/ds)/ たちばなテツヤ(SPARKS GO GO、THE PRIMALS/ds)/ 奥野真哉(SOUL FLOWER UNION/key)/ 田中 和(勝手にしやがれ/tp)/ 木暮晋也(HICKSVILLE/g)/ 谷中 敦(東京スカパラダイスオーケストラ/b.sax)
◼︎GUEST MUSICIAN
tatsu(レピッシュ/b)※1967年2月生まれ
<セットリスト>
1, BAND SESSION「太陽にほえろ」~「俺たちは天使だ」 2, オープニング・メドレー
・START/JUN SKY WALKER(S)(宮田和弥)
・日本印度化計画/筋肉少女帯(大槻ケンヂ)
・風の市/SOUL FLOWER UNION(中川敬)
・あおっぱな/怒髪天(増子直純)
・接吻/Original Love(田島貴男)
・ずっと好きだった(斉藤和義)
・10years(渡辺美里)
・Progress(スガシカオ)
・WAO!/UNICORN(ABEDON)
・P.M.A(Positive Metal Attitude)/KEMURI(伊藤ふみお)
・誘惑光線・クラッ!(早見優)
・卒業(斉藤由貴)
・SPARK/THE YELLOW MONKEY(吉井和哉)
・ルーシーはムーンフェイス/SPARKS GO GO(八熊慎一)
・ミラクル・ガール(永井真理子)
・バンザイ~好きでよかった~/ウルフルズ(トータス松本)
3, 夢の中へ×I Can’t Turn You Loose(斉藤由貴&トータス松本)
4, Ready Steady Go!(永井真理子&伊藤ふみお)
5, Ato-Ichinen/KEMURI(伊藤ふみお&斉藤和義)
6, 恋をしましょう/SPARKS GO GO(八熊慎一&ABEDON) 7, 夢の中/BO GUMBOS(宮田和弥&八熊慎一&斉藤由貴&永井真理子)
8, すてきな夜空/JUN SKY WALKER(S)(宮田和弥&永井真理子)
9, オンリー・ユー/ばちかぶり(大槻ケンヂ&宮田和弥)
― ウルトラマン主題歌~ウルトラマン×バルタン星人 -
10, イマジン/RCサクセション(斉藤和義&宮田和弥&中川敬)
11, 満月の夕/SOUL FLOWER UNION(中川敬&田島貴男)
12, Space Oddity/David Bowie(吉井和哉&田島貴男)
13, みらいのうた(吉井和哉&ABEDON)
14, アルカセ/ UNICORN(ABEDON&渡辺美里&大槻ケンヂ)
15, 午後のパレード(スガシカオ&早見優)
16, 夏色のナンシー(早見優&吉井和哉&大槻ケンヂ)
― ROOTS66 SPECIAL SHORT MOVIE ―
出演:川上麻衣子、今田耕司、立川談春、鈴木保奈美
17, My Revolution(渡辺美里&増子直純)
18, タイムマシンにおねがい/サディスティック・ミカ・バンド(渡辺美里&田島貴男&吉井和哉)
19, 月の裏で会いましょう/Original Love(田島貴男&スガシカオ)
20, ガッツだぜ!!/ウルフルズ(トータス松本& ROOTS66)
21, 歩いて帰ろう(斉藤和義& ROOTS66)
22, オトナノススメ/怒髪天(増子直純& ROOTS66)
23, 学園天国/フィンガー5(早見優& ROOTS66)
24, 勝手にしやがれ/沢田研二(ROOTS66)
ENCORE
1, 君は薔薇より美しい/布施明(渡辺美里)
2, 飾りじゃないのよ涙は/中森明菜(斉藤由貴)
3, UFO/ピンク・レディー(早見優&永井真理子)
4, 春一番/キャンディーズ(渡辺美里&早見優&斉藤由貴&永井真理子)
5, また逢う日まで/尾崎紀世彦(ROOTS66)


